「ホテルで浴衣を着ない理由」

むかぁ〜し、むかぁしの事じゃった・・・・・・。

前回の話・・・第50話「姿見」の中で、
乗務員はホテルでは、スウェットを着ることが多いと書きましたよね。
特に、ガイドさんや女性添乗員にその傾向が強いんです。

スウェットやジャージは動きやすいから、
万が一のアクシデントやトラブル時に対応しやすいし、
それに冬なんか、
暖房器具など無いに等しい乗務員部屋では、
浴衣なんぞでは寝てらんない・・・ってことがその理由ですが、
実は、
もうひとつ大きな理由があるんです。
それは、
今から約30年前、
日○交通のガイドさんの恐怖体験が発端となっています。 

ただ、MoMoが生まれるより前の古い話なので、
ハッキリとした事は不明なのですが
業界ではこの話を疑っている人は少ないと思います。
誰もが似た様な経験があるから・・・・・・・・・。

・・・・・約30年前、
深夜・・・・・・・あるホテルの一室、

彼女が、
浴衣に着替え、そろそろ寝ようとしている時、
突然、
背後からスゴイ力で突き飛ばされたそうです。
布団の上に倒れこんだ彼女振り返って見ると、
そこには、
髪を振乱した女性の霊が、薄笑いを浮かべ立っていたそうです。

「イヤァーーー!!」

彼女は、悲鳴をあげながら、
部屋を飛び出し、廊下に逃げ出したんですが、
目の前に、また女性の霊が立っていたんです。

「助けてぇーー!!」

逃げる彼女の後ろを
女性の霊が恐ろしい形相を追いかけてきます。

エレベーターホールまで逃げてきた彼女は、
エレベーターのボタンを押したんです。
次の瞬間、目の前のエレベータの扉が開いたんです。

「よかった、コレで逃げられる・・・」

しかし、彼女が乗り込もうとすると
そこにはエレベーターはなく、
真っ暗な空間だけが広がっていたそうです。

「見ぃつけたよぉ〜・・・」

「イヤァーーー!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・、

翌朝、
浴衣の袂と裾が大きく乱れた、あられもない姿で、
気を失っている彼女が発見されたそうです。

この話が広まって、
私達、女性の乗務員のスウェットやジャージ着用が定着したんです。

 (ちなみに夏は裸で寝ます・・・・・・・ウソですよ、ウソ!)