「命の電話」
福井県東尋坊


自殺の名所と言われる所のその多くには、
「命の電話」といわれている公衆電話BOXがあります。
これらの電話は、自殺防止の活動をしているボランティア団体への
直通電話となっていて、数多くの命が救われているそうです。

また、自殺志願者が、この公衆電話から、この世の残りにでもと、
親しい人に電話をして、自殺を思いとどまったという事も多いそうです。

もっとも、今では、携帯電話があるので、その効果のほどは、分かりませんが・・・・・。

さて、今回の話は、福井県東尋坊・・・・。
行った事のある人ならご存知だと思いますが、
岸壁にある「ちょっと待て!」の古い看板が印象的な自殺の名所です。

当然、この東尋坊にも「命の電話」があります。

他の自殺の名所では、、割と現場近くに「命の電話」があるのですが、
ここ東尋坊の場合は、少し離れた普通の道沿いにあるんです。
パッと見た感じでは、普通の公衆電話BOXといった感じで・・・。

この話は、東尋坊の管理事務所の方に聞いた話です。

そんな感じですから、
自殺志願者ではない、普通の人達なんかもこの電話を利用する事が
結構あるんです。

夜・・・、
電話をしていると、東尋坊のほうから・・

「ピシャ・・ピシャ・・・ピシャ・・・」

不気味な足音が近づいてくるそうなんです。
電話BOXに向かって・・・

「ピシャ・・ピシャ・・・ピシャ・・・」

「ピシャ・・ピシャ・・・ピシャ・・・」

「バーン!!」

電話BOXのガラスを叩く音に振り向くと
全身びっしょり濡れ、頭から血を流した女が、ガラスに張り付いているそうです。

その女は、電話BOXのガラスを叩き続け、
電話BOXを揺らし、悲鳴のような声でこう叫ぶそうです。

「助けてぇー、私を中に入れてぇー」

「早く、早く、早く、私を中に入れてぇー」

「私、私、本当は、死にたくなかったのよ、中に入れてぇ・・・・・」

以前、
私が行った時には、
電話BOXのガラスに血のような手形が、うっすらと付いていました。

その血の手形が、女性の霊がつけたものなのか
誰かの悪質なイタズラなのか・・・・・・・
私には分かりません・・・・・・。・