「センサーライト」


学生時代からの友人のYちゃん。
彼女、一人旅が大好きなんですよね。

で、今回は東海地方の旅に出たわけです。

宿泊は「K」という和風旅館

通された部屋は、当然、和室なのですが、
ドアを開けて部屋に入ると、
人の動きに感知するセンサーライトが部屋の玄関から廊下を照らす、
割と今風の部屋だったそうです。

「へぇ〜、このクラスの旅館にしては設備が新しいのね」

・・・と感心しながら部屋に入った彼女

「うん、部屋も広いし、清潔だし、窓も広いし、景色も良い。
 これは、良い旅館を見つけたかも」

・・・と上機嫌で荷物の整理を始めると、

バァー

突然、玄関〜廊下のセンサーライトが点いたんです。

「えっ、誰もいないのに・・・?
 もしかして幽霊が私と入れ替えに出て行ってたりして」(笑)

・・・と、誤作動でもしたんだろうと気にも留めなかったそうです。

そして、夜、11時過ぎ、
彼女が布団に入り寝ようとすると、部屋の玄関のドア付近で

ドン

・・・と音がします。

「な、何?」

見ると
センサーライトが点いたり消えたりしています。

「誰もいないのに・・・まさか本当に幽霊でもいるの?」

彼女は、玄関〜廊下に目をやります。
でも、ライトに照らされた玄関〜廊下には誰もいません。

数秒後、ライトが消えると、
そこには5才位の男の子が立っていたのです。

ライトが消えて暗いのにハッキリ見えるのです。
発光しているかのように白く浮き上がっているのです。

そして、嬉しそうな顔で男の子は

ドン

・・・とジャンプ。

センサーライトが点くと、
男の子はその赤軽さにかき消されてしまいます。

ライトが消えるとともに再び姿を現した男の子は、

ドン

・・・と、嬉しそうにジャンプ

男の子はジャンプするとライトが点くのが面白いのか、
それを何度も何度も繰り返します。

やがて飽きたのか、
センサーライトが消えても、男の子の姿は見えなくなったそうです。

彼女は

「あの子は絶対、座敷童だと思うの。」

・・・と言ってましたが、はてさて、どうなのでしょうか?