「火の用心」


皆さんの町でも、
年末には消防団や町内会の方々が

「火のよぉ〜じん!」

カチ! カチ!

・・・って、
拍子木を鳴らしながらパトロールされているのではないでしょうか。

今回の話は大阪の電機メーカーのKさんにお聞きした話です。

Kさんの町でも、
毎年12/26〜30の5日間、この年末警戒が行われているそうです。

一番前と後ろに「火の用心」の提灯、そして、拍子木。
他の皆は懐中電灯を持って、夜の町をパトロールします。

その時、いるはずのない誰かが現れるというのです。

毎年というわけではなく、何日と決まっているわけでもなく、
皆でパトロールしている最中に、ふと気づくと、
先頭の提灯が一つ増えて2つになっているというのです。

提灯の灯りが照らすその姿は80代位の男性。

その男性は漂うように歩き、しばらくは行動を共にするのですが、
一軒の家の前で立ち止まると、その家の玄関に消えていくのです。

すると、
次の年には必ず、その家の誰かが亡くなられるんだそうです。

この提灯を持った男性は、誰にでも見えるわけではなく、
自治会の会長と副会長にだけ見えるのだそうです。

ですから、
会長、副会長以外の皆さんは誰もその存在を知らないそうです。

まぁ〜、来年は〇〇さんの家で誰かが亡くなるなんて、
口が裂けても言えないですから、2人だけの秘密になるそうです。

そして、会長が辞められたら副会長が会長になるので、
この秘密は何十年も続いているということなのです。
(いつ頃からかはハッキリ分からないそうです)

なんとも不思議な話です・・・ってか、怖い話ですよね。