「歩行者用地下道」
大阪府東部


側道を含めて6車線、上に高速道路が走っていて

・・・というような大きな国道の場合、
横断歩道や歩道橋がなくて、
歩行者用の地下道が造られたりしますよね。


ここ、中央環状線の下にも長〜い歩行者トンネルがあります。

このトンネルは、朝〜夕は通勤、通学等で人通りも多いのですが
終電過ぎると、誰も歩いてないんです。

ある雨の日の深夜、
先輩が人影もないトンネルを歩いていると

『キィーコ...キィーコ...キィーコ...』


「うん? な、何の音だ?」


音のする方を見ていると
誰も乗っていない三輪車が・・・


「う、うわぁ〜〜!!」


先輩は慌てて、逃げ出そうとしたんですが、

「う、うわぁ〜〜!!」

なんと、
子供の手がズボンの膝辺りを掴んでいるんです。

「は、離せー、離してくれ」

先輩はその手を振り払いながら、出口に向かって走ります。

トンネルの出口まで来た時、  

「お兄ちゃんも僕を置いて行っちゃうんだね」

・・・と
耳元で声が響き、その手が離れたそうです。


トンネルを出ると、
グシャグシャに壊れた三輪車がポツンとあり、
ズボンを見ると、泥の手形がついていたそうです。