「故郷へ帰った棺」


先日(4/22)、

「東日本大震災の津波で漂流したサッカーボールがアラスカで発見!」

・・・というニュースがありましたよね。

ボールに書いてあった寄せ書きから、
岩手県陸前高田市に住む高校二年生の男の子が持ち主と判明して、
大きな話題になりました。

同時にバレーボールも発見されていて、
これも寄せ書きから、
関東にお住いの社会人の女性が持ち主と解りました。

漂流から思い出した話として、
添乗日記では 「奇跡のヤシの実」を紹介させて頂きましたが、
こちらは、もっとオカルトチックな話です。


19世紀の終わり頃、
チャールズ・フランシス・コフランという
シェークスピア劇の名優がいました。

コフランは故郷であるカナダのプリンスエドワード島を飛び出し、
ロンドンで苦労の末、
世界中で大活躍する大スターとなった時代の寵児だそうです。

そんな彼は折に触れて、

「僕はアメリカ公演中に死んで、一旦はアメリカで埋葬されるけど、
 その後、神のご慈悲で故郷のカナダに帰ることが出来るんだ。」

・・・と、周囲に語っていたんです。

何でも、修業時代にジプシーの占い師の予言だとかで、
コフランは、その予言を固く信じていたそうです。

果たして、1899年11月、
コフランはアメリカのテキサスで、ハムレットの公演中に倒れ、急死。

遺体は故郷には送られず、
ガルベストンの共同墓地の地下納骨所に埋葬されました。

翌1900年9月、
ガルベストンを大型ハリケーンが襲い、町は大被害を受け、
共同墓地にも大きな津波が押し寄せて、数多くの棺が海へと流されたそうです。

その後、
町の方々の懸命な作業により、
海へ流された棺のほとんどが回収されましたが、
コフランの棺はついに発見されなかったそうです。

そして、1908年10月、
プリンスエドワード島で漁師が浅瀬に浮遊する棺を見つけたんです。

棺に貼られたプレートに刻まれた名前は、

チャールズ・フランシス・コフラン。

アメリカで眠りについて9年、
5600km離れた故郷に帰りついたコフランは、
故郷の人たちによって、自身が洗礼を受けた教会の墓地に葬られたそうです。

ねっ、不思議な話でしょう。