「こんばんは」
京都 二条


知り合いのドライバーさんの体験談です。

夜11時頃、
テレビを見ながらビールを飲んでいると、
部屋のドアの向こうから若い女性の声が聞こえてきました。

「こんばんは」

彼は呼んでいないし、 (呼んでたら、それはそれで問題だけど)
誰かが訪ねてくる心当たりもないので、
隣の部屋だろうと無視していると、
コンコンとドアが叩かれ

「こんばんは、私よ、開けて」

うん?
俺の部屋?

確かめてみようとドアスコープを覗くと23〜4才の女性がいます。

「あぁ、彼氏の部屋と間違えたな」

放っておくのも気の毒だし、
間違いを教えてあげようと思ってドアを開けると

「あれ、誰もいない?」

キツネにつままれた感じでベッドに戻ろうとすると、
バスルームからシャワーの音・・・

「えっ?」

脱衣場を見ると女性の服、
バスルームの扉には女性の影が映っています。

「いつの間に入ったんだ?」

彼はバスルームの戸を叩き、

「すみません! お嬢さん、部屋を間違えてますよ」

・・・返事がない

「部屋! 違いますよ!」

大声でそう言った瞬間
シャワーの音が止まり女性の影も消えたそうです。

バンッ!

彼が扉を開けると誰もいません。

振り向くと、さっきまであった女性の服も消えています。

「ゆ・・・幽霊」

彼は、そう思った瞬間、部屋から飛び出したのですが、
ドアを閉める際に、チラッと、部屋を振り返ると、

ベッドの上で、
その女性が見知らぬ男に抱かれていたそうです。