「百畳敷き」 大分県 B温泉 ホテル某 ホテルに宿泊する時、 私達添乗員は、乗務員部屋という専用の部屋に泊まります。 まぁ、これが、お客様の部屋とは比べ物にならないほどチープなのです。 で、 その乗務員部屋に空きがない時には、 何十畳〜百畳もあるんじゃないかなって大宴会場に、 ポツンと布団を一組敷いて寝させられることもあったりします。 (女性の添乗員の場合はありませんけど) 私の会社の先輩(男性)が、添乗業務に就いたときが正にそうでした。 3年程前の出来事です。 百畳敷きの宴会場の真ん中に、ポツンと布団・・・ 私だったら、 そんな広い部屋の真ん中に布団敷いて寝るのは なんか落ち着かない感じがするので、 壁の近くに布団を移動すると思いますが、 先輩は、 「こんなに広い部屋の真ん中で寝るなんてセレブだよなぁ〜」 ・・・と、そのまま眠りについたんです。 ・・・> 誰もいない、真っ暗な宴会場・・・ 若い仲居が脚立を持って深刻な顔をして入ってくる。 仲居は宴会場の真ん中で立ち止まり、まんじりとも動かない。 そして、帯を外すと脚立に上り、帯を鴨居(欄間?)に引っ掛け、 首を通すと脚立から飛び降りて・・・ <・・・ 「うわぁ〜!!」 深夜、 先輩は余りにも不気味で、やけにリアルな夢に 思わず飛び起きてしまったそうです。 「あぁ〜、嫌な夢見たぁ〜」 先輩が一息つけようと 枕元のタバコに手を伸ばそうとしたその時、 ギィ・・・・ギィ・・・・ 頭の上から音が聞こえてきたんです。 何かが揺れている様な気配もします。 そぉ〜っと見上げると 「うわぁ〜!!」 顔の上で着物姿の女性がブラブラと揺れていたんです。 先輩は悲鳴を上げながら宴会場を飛び出しました。 すると 悲鳴を聞きつけたのか向こうからホテルマンが駆けつけてきます。 先輩が事情を話すとホテルマンは、 「そうですか、最近は出てなかったので大丈夫だと思ったんですが・・・」 ホテルマンの話では、 20年ほど前に若い仲居がお客様とのトラブルからホテルをクビになり 悲観して(嫌がらせで?)宴会場で首を吊ったそうです。 それ以来、 時折、彼女の霊が現れるようになったとか・・・ |