「戒壇めぐり」
長野県 某寺


「戒壇めぐり」とは、
本堂の横から地下通路に入って、

【真っ暗な中、「鍵前」に手を触れる事ができれば、極楽浄土へ行ける】

・・・・というものです。

地下への階段を下りていくと

「暗いの暗くないのって・・・
 いや、暗いんですけどね。
とにかく、ホント・・・真の闇って感じなんです。」

普通なら、
目が慣れてくれば、うっすらでも見えてくるんですけど、

「ここは何も見えないの。
 自分の手すら見えないんですよ〜。」 (ホント、真っ暗なんです)


地下の通路の幅は1人では広いけど、2人ならちょっと狭い感じ。

この闇の通路の中を、壁づたいに歩いて行って「鍵前」を探すんです。


一昨年のこと。

お客様のMさんが、
右手で壁を触りながら・・・他の観光客と共にゾロゾロと歩いてると
彼女の左側を後ろから何かが走り抜けたんです。

Mさん「えっ・・今の何?・・・」

しばらくすると、
今度は、前から何かが駆けてきます。

Mさん「子供だわ!」

狭い地下の通路、それも真っ暗で危ないので、

Mさん「ボク!
     暗い所で走り回ったら危ないよ。 迷子になっちゃうぞ!」

子供 「おばちゃん、僕が見えるの?」

Mさん「暗くてハッキリ見えないけど、狭い通路だから判るわよ」

子供 「そうなんだ・・・」

Mさん「そうよ〜。 
     だから、早く、お父さん、お母さんところに戻らないと・・・」


すると
男の子、彼女に抱きついて来て

子供 「おばちゃんに仏様のご加護がありますように・・・」

そう言うと、どっか行っちゃったんです。


旅行から帰ると、
不思議な事に、Mさん、持病が完治してたそうです。

MoMo 「その子供、お釈迦様の使いだったのかしら??」