「恐山 その1」


お客様のKさんから伺った話です。

Kさんは、60代前半のダンディーなおじ様

3年前の7月
Kさん、地元の旅行会で恐山に行ったんです。

恐山は、高野山、比叡山と並ぶ日本三大霊山のひとつです。

この時期の恐山は大祭で、
あの有名な「口寄せ」のイタコさんがおられるんです。

大祭と秋祀り以外の期間は、イタコさんはおられないので、
スゴイ行列が出来ていて、大体、3時間待ち。

料金は特に決まりはないようですが
1人降ろして頂く毎に3000円位だったと思います。

Kさんは、イタコさんにお願いはしなかったんですが、
大法要・祈祷を見学し、地獄巡り(?)をして、恐山を後にしたんです。


・・・で、Kさん
大阪に帰って来ると、その足で、
近くに住んでいる息子さん夫婦の家にお土産を持って行ったんです。

息子さんのお嫁さんはお腹が大きくて、出産予定は1ヶ月後。
Kさんにとっては、
初孫となるので、嬉しくて嬉しくて仕方ないんですよね。

その3日後、
Kさんに息子さんから電話が入ったんです。

「嫁さん様子が変なんだ。 
 親父が恐山の帰りに寄った次の日から。 
 日に日におかしくなってくんだ。
 親父、何か連れてきたんじゃないのか?!」

Kさんがビックリして息子さんの家に駆けつけると
お嫁さんは壁の前に正座して、
何かにとり憑かれた様な、気味の悪いうすら笑いの表情を浮かべ、
時折、

「ひぃー、ひっ、ひっ、ひっ」

・・・と
笑いだしたかと思うと、また、うすら笑い。

息子さんに聞くと、昨夜から、ずっと、こんな様子だとか・・・

Kさん、早速、知り合いの住職に連絡。

住職は、お嫁さんを見るなり、

「こ、これは・・・急がねば」

・・・と、
すぐに本山に連絡、
翌日の早朝には、霊力の高いお坊様が本山から来られ、

「今すぐ、お嫁さんを連れて恐山に参りましょう。」

そして、
3日程、恐山に滞在し、
大阪に戻った時には、元のお嫁さんに戻っていて、
一月後、無事、女の子を出産されたそうです。

恐山で、
具体的にどういった除霊(?)、淨霊(?)が行われたかについては、
何も話しては下さらなかったんですが、
見ていて非常に辛いものだったそうです。