「着物」
和歌山県 K温泉
ホテルU○
今回は、後輩のFクンの初めての恐怖体験を紹介。

彼がこのホテルの2階一番奥の乗務員室に泊まった時の事です。
少し、古い感じの和室だったそうです。

夜、寝ていると、窓辺から誰かが入ってくる気配を感じたそうです。
「これが、うわさの・・・」と思ったけど、 少し怖いもの見たさの興味もあって、彼は思い切って目を開けたそうです。

すると、遊女のような女性が彼の顔を覗き込んでいたそうです。
長い髪を、彼の頬に触れさせながら、無表情で・・・。

叫ぼうにも声が出ず、身体も金縛りにあって動かせない。
目だけは閉じてみたらしいんが、それで状況が変わるわけではなく、
顔の上で髪が揺れ続けたそうです。

しばらくすると、女性の気配が消え、金縛りも解けたそうです。
恐る恐る目を開けると、
今度はその女性は、窓辺に立ってFくんを見ていたそうです。

その時、なぜか、彼は遊女の着物を見て、
「綺麗だな」と思ったそうです。
そして、遊女は微笑を浮かべ、スッと消えていったそうです。

翌日、 彼は、
「添乗さん、これ綺麗でしょう、昨日のホテルのオリジナルなの」
と、お客様が見せた紙おしろいを見てビックリしたそうです。

その紙おしろいのケースは昨日の遊女の着物と同じの柄だったんです。