「私、昔・・・」


今回の紹介する話は、
yukiちゃんの体験談です。
怖い話というよりは、ちょっと不思議な話です。

yukiちゃんが大学の帰り
お友達と電車(JR)に乗っていると、
若いお母さんと3才位の女の子が乗ってきたそうです。
で、
その女の子っていうのが
メチャクチャ可愛い子だったそうで、
周りの大人は思わず、この女の子に釘付けになったとか。

「あの女の子、メッチャ可愛いね」
「うん、可愛い、可愛い」

女の子は靴を脱いで
イスに座ると外の景色を眺め始め、
「あれ、なぁ〜に?」
「あれは? あれは?」
・・・と、
お母さんに嬉しそうに尋ねまくっていたのですが、
環状線のある駅の近くまで来ると、突然、
「私、昔、ここに住んでた。」

お母さんは驚いたように
「住んでないわよぉ、ずっと今のお家だよ」

その時、
ちょうど電車が駅に入って・・・

「ううん、ここに住んでた。
 商店街の○○って大きな本屋の・・・・・
 でも、
 私が住んでた時には、駅前にあんなビルはなかったけど・・・」

お母さんを含め周りの大人は
女の子の話にビックリ!

女の子はその後も
アレコレと駅周辺について話し続けたのですが
電車が発車して窓の外の街並みが変り始めると、
何事もなかったように、
「ママぁ〜、あれ、なぁ〜に?」
「あれは? あれは?」

女の子とお母さんが次の駅で降りると
yukiちゃんの友達がポツンと・・・

「あの女の子の話、ホントだよ。全部合ってる。
 私、高校、あの駅で降りてたから。
 駅前のビルも私が高校のときはなかったし・・・」

「それって、生まれかわりって事・・・?!」


cf.
第一章 第68話
「デジャビュ ?・・・」