「ライター」
鹿児島県I温泉 ホテル○○


鹿児島のI温泉といえば「砂風呂」
砂風呂は美容と肥満への効果が高いことで
知られ女性にも大人気なのです。

浴衣を着て髪をタオルで包んで、
砂地の窪みへ寝転がると上から砂をかけてくれます。
ちょっと情けないのは、
まるでトドかアザラシのように肩を寄せ合って埋まっている姿・・・。

でも、
この気持ちよさを一度味わったら、
もう普通の温泉じゃ満足できなくなっちゃいます。

また、
なぜか不倫旅行先として人気の温泉だったりもします。(なぜ??)

これは、先輩の男性添乗員から聞いた話です。

その日、
彼が通された乗務員部屋(他館先?)はエアコンの調子が悪いのか、
やけにジメッとした感じの部屋で、寝苦しくて堪らなかったそうです。
なかなか寝付けないので、
彼は気分転換にでもとタバコを吸うことにしたんです。

彼は蒲団の中で腹ばいになり、
闇の中で枕元のライターを探り当て火を点けます。
ところが、
火にタバコを近づけると、急にライターの火がフッと消えたのです。

「うん?」

もう一度、ライターを点けタバコを近づけると、
またライターの火がフッと消えます。

「あれ? おかしいな?」

彼は繰り返しライターを点け、
火をタバコに持っていくのですが、
何度やってもライターの火が「ふっ」と消えてしまうのです。

「なんだ??」

気を取り直して、
もう一度ライターの火を点けた時・・・彼は気づいたのです。

彼の横に髪の長い女性が寄り添っていて、
彼のライターに息を吹きかけ火を消しているのを。

彼は悲鳴をあげようとしましたが何故か声が出ません。 
恐怖のためか身体も動きません。

彼に寄り添っている女性は無表情でジッとライターの火を見つめ・・・
そして、彼に向き直ると

「私がタバコ嫌いなこと知っているくせに・・・ひどい人・・・」

と言うと、
彼に背を向け、そのままスゥーと闇の中に消えて行ったそうです。

それ以来、
彼はこのホテルに泊まる時は禁煙を通しています。
ただ、
その女性の霊、思わず抱きしめたくなる様な「いい女」だったとか・・・


うぅ〜ん
恐怖のあまり身体が動かなくても
「いい女」だったというのは、しっかりチェックしてるのね。