「遊ぼ!?」
群馬県 K温泉
民宿 ○○○○
他館先によく使われる家庭的な雰囲気の民宿です
業界人ならスグ判る・・・・かな!?

仕事で、よくご一緒するベテランのガイドさんに聞いた話です。

随分前の話になるんですが、
その日は、シーズン中という事もあって、
お客さんと同じホテルではなく、他館で民宿に泊まったそうです。
そこは、愛想のいい、ご家族が仲良く働いている、アットホームな民宿だったそうです。

彼女が案内されたのは2階の部屋。

夜、彼女が寝ようとすると、廊下で何か物音がします。
たいした音でもなかったので、初めは気にもならなかったんですが、
子供の遊ぶ声まで聞こえ始めると、さすがに気になって眠れません。
仕方ないので、 彼女が部屋を出て様子を見ると、真っ暗な廊下で、
4歳位の男の子が1人でおもちゃで遊んでいます。

こんな時間に、どうして子供が・・・・・、

「ぼく、 ここの子?」 と聞くと、
「うん、お姉ちゃん、一緒に遊ぼう」 とニッコリ笑って甘えてきます。

「ウ〜ン、一緒に遊んであげたいんだけど、お姉ちゃんね、今日はね、とても眠いの、ぼくも早くおやすみなさい」 

「うん、おやすみなさい」
男の子は、元気に言うと、 1人で階段を駆け降りて行ったそうです。

翌朝、
彼女が民宿のおかみさんと話をしている時、
玄関の壁に家族写真が飾ってあるのに気づいたそうです。

「あっ、この子、夕べ、廊下で遊んでた子だわ。」

おかみさんは少し淋しそうに笑って言ったそうです。
「この子はよく、ガイドさんに遊んでもらってたからね・・・」

よく聞いてみると、
その子はもう、何年も前に亡くなっていたそうなんです。

遊びざかりで亡くなったその子は、今でも遊び足りなくて、ガイドさんの所に出てくるのでしょうか?