「絵は見ていた?」
鳥取県 ホテル某


この温泉郷は海水が混じった弱食塩泉で知られています。
塩の湯は皮膚を蘇らせ、ツヤツヤお肌にする・・・らしいんですよ。

今回の舞台となるのは、この温泉郷にある某ホテル。
お客様の評判も良く、乗務員からの評判もすこぶる上々なのです。
(乗務員室でさえ広くて、清潔、エアコン、TV、バス・トイレ付き!)

えぇ〜とっ、このホテル、
今まで「出る」という話など一度も聞いたことなかったんです。
でも、
数年前から変な噂をちょくちょく耳にするようになったんです。

何でも、
乗務員専用の部屋の1つに不思議な部屋があるというのです。

問題の乗務員室には
ベッドの枕元の壁に小さい黄色い花の絵が飾ってあるそうです。
タンポポだとかスミレだとか幾つかの説があるのですが、
とにかく小さい黄色い花の絵です。
不思議なことに、
その絵は何の変哲もない絵なのに、
言うに言えない・・・
そう、何とも言えない違和感を感じるそうなんです。

そして、
女性がこの部屋に泊まると、
必ず、年配の男性に首を絞められ殺される夢を見るというのです。
それも殺される女性の視点からの夢を・・・

『枕元にある絵を見ている時、
 物音に振り向くと見知らぬ男性が薄笑いを浮かべ立っている。
 男は一歩一歩近づいてくる、
 そして視界は彼の両手と憎悪の表情で満たされ、
 意識が遠のいていく最後の瞬間に見るものは男の笑顔・・・』

余りの恐怖に目を覚ますと既に朝になっていて、
身体中から汗をかいていて、
一睡もしなかったかのように疲れがたまっているといいます。
しかし、
その絵を壁から外して寝ると何事も起こらず、
逆にグッスリと眠れて疲れが完全に取れるともいわれています。

何とも不思議な話ですが、
今もその絵は乗務員部屋の壁にかかっているのです。
そして、
乗務員は熟睡するためにこの絵を壁から外してベッドに入るのです。
噂では、
その絵は全てを見ていて、
この部屋に泊まる人に何か伝えたいのだとか・・・

ちなみに、
この絵の裏にはお札は張ってないそうです。