「落ちてくる」
静岡県 A温泉
K○○ホテル 乗務員室

有名すぎて、業界で知らない人はないといわれるホテルです。

夜、この部屋で寝ていると、
窓の外を女性が落ちていくんです。

「ヒュー・・・・・、ベチャ・・・・・、ヒュー・・・・・、ベチャ」

何度も、何度も、何度も、何度も、
その部屋のベランダに向かって落ちてくるんです。

昔、まだ、このホテルが建て替えられる前のことらしいんですが、
このホテルの屋上からだったか、最上階からだったか、
女性の飛び降りがあって、ある部屋のベランダの柵に、頭をぶつけて死んだそうなんです。

それ以来、毎晩のように、
「ヒュー・・・・・、ベチャ・・・・・、ヒュー・・・・・、ベチャ」
一晩中、女性の霊が落ちてくるんです。

そして、建て替えられた後も、
元々、そのベランダの柵があった場所である乗務員室に向かって、彼女が、落ちてくるんです。

「ヒュー・・・・・、ベチャ・・・・、ヒュー・・・・・、ベチャ」

カーテンを閉めて、背中を向けて寝ていても、
気がつけば、カーテンが開いていて、無理やり見せられるんです。
落ちてくるところを・・・。

そして、彼女と目が合うと・・・、ニッコリ微笑むんです。
そして・・・、

「あなた、私が見えるのね」