「旧館への通路」
鳥取県 K温泉
T○○ 乗務員室

私達、添乗員やドライバーさん、ガイドさんなど乗務員は、
一般の客室を使用することは、基本的にはありません。
乗務員室といって、
一般客室とは比べ物にならないような部屋に泊まります。
(かなりヒドイ部屋のときも少なくないんです。)
ホテルによっては、
一般の客室として使えない何らかの理由がある元客室を
乗務員室に使っている場合もあります。

このホテルでは、
本館の一階に乗務員室が、6室設けられています。
海が見える、見晴らしの良い部屋なんですが、
不思議に薄暗いイメージがする部屋なんです。

この6室の乗務員室のうち、
階段正面の部屋から3つ目までの3部屋に出るんです。

旧日本軍の兵隊が、生前の姿そのままに、
一晩中ミシッ、ミシッと足音を立てながら、部屋中を歩き回るんです。
何かつぶやきながら、歩いてるようですが、
何を言ってるのかは、聞き取ることは出来ません。

「襲って来る」と、いう様な事はないので、ある意味安心なんですが、
その音が大きくて朝まで眠れないんです。

聞くところによると、
この3室は、旧館への通路をふさいで作ったそうです

しかし、この三室は砂浜〜海に面していて、
その先に旧館があったとは、とても考えられません。
なぜ砂浜〜海に向かって旧館への通路があったのか?
旧館は、一体、どうなったのか?