「隙魔」
愛知県M温泉
ホテルふきぬき

高度成長期時代の「ホテルふきぬけ」は、客足が絶えることがない程、
業績が順調で、幾度となく増改築を重ねました。

どちらかといえば無計画な増改築だった為、中二階、中三階、中四階、
おまけに地下中一階まであり、廊下はさながら迷路のようで・・・。
ついには、お客様が館内で迷子になってしまうほど、複雑な構造の建物になってしまいました。 

さて・・・、ここの乗務員部屋なんですが、
この増改築の時にできた建物の隙間である(?)、地下中一階に設けてあるんです。

これは友人のガイドさんから聞いた話です。

この乗務員部屋、小さな部屋には余りにも不釣合いな大きな姿見の鏡が、向かい合った壁に、合わせ鏡のように貼り付けてあったそうです。

彼女は、異様な感じを覚えながも、寝ようとベットに腰をおろした、その時、部屋の中を、二つ白い影が浮遊しているのに気がついたそうです。
まるで、仲の良い男女の様に・・・・。

そして、その二つの影は、鏡の間を、物音ひとつ立てずに、無言のまま行った来たりしていたそうです

彼女は、助け呼ぼうとしましたが、声が出ず、身体も金縛り状態。
その時、突然、電話のベルが・・・・、
その瞬間、金縛りが解け、二つ白い影もスゥーと消えていったそうです。

彼女が電話に出ると、それは、なんと朝食を連絡する電話でした。
いつの間にか朝になっていたんです。
彼女にとっては、ほんの2〜3分の出来事だったのに・・

この部屋の鏡は、霊界への扉なのか?、それとも封印なのか?
いったい何の為におかれているのか?

その後・・・・、
「ホテルふきぬけ」は、客足がぱったり止まり、
今は、もう廃墟になっています。


MoMoです。
この話には、後日談があります。
「ホテルふきぬけ」の関係者の方から、メールがあったんです。
戦慄の投稿のコーナーで紹介してます。